世界各国で通用する
競争力の高い製品を生み出す
国際化に対応した
製品開発を目指す
「製品化が実現すれば、業界が変わります」
技術部開発課で係長を務める新里大輔は力強く語る。彼が中心となって開発を進めている新製品は従来の製品よりもコストが低く、より安価な製品を求める海外の需要に応えられるという。
日本で120年以上にわたって高品質の真空ポンプやブロワを生産してきた宇野澤組鐵工所だが、最近はアメリカや韓国、インドなどからの発注が増えている。それに伴い、各国の規格に合わせたり、図面を英語にしたりといった業務も増えることになる。
数年前、大型案件のミーティングで韓国へ出張し、新里は英語で製品についての意見を述べた。初めてのことだったが、言いたいことを伝えることはできた。先方のオーナーに「Nice Meeting!」と言われたことは、今も鮮明に覚えているという。
グローバル化が進む今の時代を、新里は宇野澤組鐵工所の先頭に立って突き進んでいるのだ。
円滑な
コミュニケーションは
必須
開発課は2年前に新製品開発のために設計課から独立した新しい部署だ。それ以前から製品開発の重要性を認識し、自ら担当したいと言い続けてきた新里は、係長として開発に携わることになった。
開発業務は各部署との連携が大切だ。ゼロベースで新しい製品を開発するのだから、特に製造現場とのコミュニケーションは欠かせない。宇野澤組鐵工所は事務所と工場が同じ敷地にあるので、ちょっとしたことでも用がある時には現場に足を運ぶ。そのほか、材料等の業者に来社してもらって打ち合わせを行うこともある。実際に顔を合わせて良好な人間関係を築き、お互いに遠慮なく意見を交わせるようになることが大切だと新里は考えている。
一方で、それまで携わっていた設計の仕事も続けている、設計ではクライアントに提出する納入仕様書や製造現場に渡す製作図を作成するほか、開発課のメンバーが作成した図面のチェックも行う。部下を持つ立場になった以上、自分のことだけを考えていてはいけない。仲間たちが長所を伸ばし、短所を克服していけるように、しっかり考えて指導することを心がけている。
リフレッシュが
仕事の質を高める
新里の住まいは多摩川を隔てた神奈川県川崎市。職場まで自転車で15分ほどの道のりだ。夜はしっかり睡眠をとり、ブラックコーヒーを飲んでから出勤するようにしている。また、昼休みには電気を消して10分程度の仮眠をとる。このようにリフレッシュすることで、頭が活性化されるのだ。
酒もたしなむ新里だが、普段はなるべく控えているという。しかし、休前日となると話は別だ。技術部の飲み会が月に1~2回開催され、他部署から飛び入りで参加する人も少なくない。休日は同僚と趣味のスノーボードを楽しむこともあるという。
こうして気の置けない仲間たちと英気を養った新里は、週が明けると再び真剣な面持ちで図面と向かい合う。