人とのつながりを生かし
明るく楽しく営業に励む
現場と連携して
製品を提案
「お疲れ様です」
スーツにヘルメットという出で立ちの紙谷武が製造現場に姿を見せる。なんの珍しさもない日常の光景だ。
営業部に所属する紙谷は、毎日のようにクライアントのもとを訪ね、先方の課題解決のために尽力している。しかし営業という仕事柄、全ての製品の情報を網羅してはいるものの、個々の製品についての深い知識となるとスペシャリストにはかなわない。打ち合わせの中で営業だけでは判断できない技術的な話題になった場合は、持ち帰って製造部や技術部に相談するわけだ。
「皆さん気軽に対応してくれます。部署の垣根はないに等しいですね」
紙谷が心がけているのは、報連相を大切にして、困ったときは1人で悩まず誰かに聞くということ。フランクでオープンな社風が、そんな紙谷の力となっている。
幅広い業務を
こなす毎日
紙谷の担当クライアントは主に企業で、化学関連や食品、セメントなどさまざまな業界にわたる。工場を訪問し、改善点をヒアリングしたり製品を提案したりすることが多い。案件ごとに毎回違う製品を提示できるのは、製品のバリエーションが豊富な宇野澤組鐵工所ならではだ。
訪問は1日4件程度。営業先は東京都および埼玉県の各地に点在しており、移動に片道2時間ほどかかることもあるが、できる作業を進めつつ趣味の音楽鑑賞を楽しみ、リラックスして過ごす。直行や直帰になることも多く、訪問先に合わせて柔軟に対応している。
アポイントがない時はオフィスで作業をこなす。クライアントに連絡して先のアポイントを取ったり、見積書を作成したりと、さまざまな業務がある。何百万円、何千万円という金額を扱うのは、学生時代にはなかったことだ。見積書には部品代や諸経費などさまざまな要素が含まれる。わからないことがあれば設計課や購買担当に聞くなどして、ミスの出ないように細心の注意を払っている。
機械が好きなら
営業も面白い
学生時代、紙谷は機械工学科に所属し機械材料の研究をしていた。宇野澤組鐵工所を志望したのは、研究の中で材料の生成に真空が深く関わっていることを知り、興味を持ったからだ。会社説明会で現場を見学した際も、新旧さまざまな機械が混在しているのを見て興奮したという。
入社当初は製造部に配属されていたが、1年後に営業部へ転属となった。紙谷は笑顔で当時を振り返る。
「その時は営業人員が不足していたらしく、若手の中から誰かということになり、おしゃべりな人が良いということで『営業やってくれ』と言われたんです」
コミュニケーション能力を買われて始めた営業の仕事だが、今はとても楽しいという。
「一番やりがいがあるのは新規案件の対応ですね。当社製品のメリットを丁寧に説明し、機器を選定して受注に持っていくまでは大変ですが、それだけ達成感もあります」
また、営業の魅力はそれだけではない。紙谷はこう言う。
「電話一本で色々な工場の設備を“見学”できるのは役得です。機械好きとしてはたまりません」